[将棋] 海外出身女流棋士・カロリーナステチェンスカの師匠は?
こんにちは、トレンドボーイです。さて、昨日2月25日、将棋の名人への挑戦者を決める順位戦のA級リーグで、28歳の稲葉陽(いなば・あきら)八段が見事挑戦権を獲得し、伝統の名人戦への初登場を果たしました。
そして、その挑戦を迎えうったのが、これまた29歳の佐藤天彦名人ということで、なんと20代の若者同士が将棋界の最高位を争う形となりました。
ちなみに、名人戦が20代同士の対決となるのは、なんと1994年、当時25歳の羽生善治名人(現・三冠)に、同じく25歳の森内俊之八段(現・九段)が挑戦して以来、史上2回目の事なんだそうですよ!
話を戻しまして、羽生善治三冠については、昨年までなんと9年連続で名人戦に登場していたようですね。(゚д゚)! 今回の挑戦者決定リーグでも、最終戦まで挑戦の可能性が残っており、ファンの多い羽生さんのことですから、多くの方が気を揉んだことでしょう。
筆者もちょっと残念に思う気持ちが全くないと言えば嘘になりますが、それ以上に、新しい時代がやってきたような感じで、とてもワクワクしています。
そうそう、将棋界の新しい時代と言えば、先日こちらの記事にも書いたように、カロリーナ・ステチェンスカさんが、外国人として初めて正式な女流プロ棋士への昇級を果たしました。これもまた驚きですね。まさに新時代です。
という訳で今回は、筆者が個人的に気になっている、このカロリーナ・ステチェンスカさんについての第二弾ということで、彼女の師匠についてや、その師匠と引き合わせてくれた女流棋士の事などについて、詳しく調べて見る事にしましたよ!
カロリーナさんが素晴らしい人々に囲まれて、尚且つ支えられてきたことで、”だからこそプロになれたんだな”ということが、きっと分かるような記事になっていると思います。それでは、どうぞ!
このページの目次
カロリーナ・ステチェンスカの師匠って誰なの?
さて、将棋のプロになりたいと思ったら、誰かしらプロ棋士の「弟子」にならなければいけません。フラッと将棋連盟の門を叩いて「プロにしてくれ」なんて言ってもダメなんですね。
プロを目指す子どもたちは、道場や大会などでプロ棋士と知り合ったり、あるいはプロ棋士に近い人(例えば、かつてプロを目指して修行をしていた人など)に紹介してもらったりして、弟子にしてもらいます。
しかし、カロリーナさんはポーランドで将棋を知り、ほとんどプロらしい存在とは接してきませんでした。そんな彼女の師匠とは一体誰なのでしょうか?
その答えはズバリ、片上大輔六段です。この方がカロリーナ・ステチェンスカさんの師匠です。
※以下Twitterより参考画像入りツイートを引用将棋連盟の片上大輔理事による乾杯の挨拶。 pic.twitter.com/DJ9CKzfppO
— 直江雨続 (@ametsugu_naoe) October 9, 2015
片上大輔 かたがみ だいすけ片上 大輔は、将棋棋士。棋士番号は251。森信雄七段門下。広島県広島市出身。 東京大学在学中にプロデビューし、史上初の‘東大生棋士’として時の人となる。その後、同大学を卒業したが、‘東大卒棋士’も史上初である。 ウィキペディア
生年月日: 1981年8月28日 (35歳)
著書: 3手1組プロの技
この片上大輔六段は、天下の東京大学在学中にプロデビューし、35歳にして日本将棋連盟の「常務理事」として運営にも携わっている凄い方です。
それと、将棋に限らずボードゲームには強く、特にバックギャモンの強豪として、国内では全国大会優勝、世界でもワールドカップ団体戦での優勝などの経験を持っているそうですよ。
しかし、なぜにカロリーナさんが片上さんの弟子となったのでしょうか? そこには、実はもう一人、二人の間をつないだ大きな存在があったのですね。という訳で、次項では早速その方について詳しく見ていきましょう!
カロリーナをプロに引き寄せた女流棋士とは?
さて、カロリーナ・ステチェンスカさんと片上大輔六段を繋いだ人物とは、一体誰なのでしょうか?
その答えは、ズバリ「北尾まどか」女流二段です。彼女は、将棋の入門編として最高のゲーム、「どうぶつしょうぎ」の考案者でもあります。
※以下、北尾まどかさんの公式twitterより引用ねこまどスタッフさんたちに似顔絵ケーキいただきました☆嬉しい(*^^*)
ほんとうにいつもありがとう!! pic.twitter.com/uGzTXiIQrh— 北尾まどか (@nemurineko) January 21, 2017
北尾まどか きたお まどか北尾 まどかは、将棋の女流棋士。東京都目黒区出身。西村一義九段門下。女流棋士番号は43。 ウィキペディア
生年月日: 1980年1月21日 (37歳)
※新装版どうぶつしょうぎ [きたお まどか]
北尾さんは、上述した子どもでも親しみやすい「どうぶつしょうぎ」や、伝統ゲーム「ごいた」と将棋を融合させた「将棋ごいた」を考案するなど、将棋の普及に熱心な女流棋士として知られています。また、非常に語学が堪能で、海外へ将棋普及の旅に出かけていく行動派でもあります。
そんな経験があったので、ヨーロッパの将棋愛好家とも知り合いが多く、カロリーナさんが勉強していた英語版インターネット将棋道場の運営者が、北尾さんへカロリーナさんを紹介したという流れが出来上がったという訳なんですね。
ちなみに、前項で紹介した、カロリーナさんの師匠である片上大輔六段さんとこの北尾女流二段は、実は夫婦でもあったようです! (残念ながら現在は離婚されているようですね)。
女流棋士は基本的に弟子は取れないので、当時の夫であった片上さんが、カロリーナさんの師匠となったという流れのようですよ。カロリーナさんは来日当初、この夫婦の家にホームステイして、将棋の勉強を始めたということです。
とはいえ、片上さんも語学には堪能ということですから、そのキッカケは偶然だとしても、巡り合わせとしては最高だったといえるのではないでしょうか? 運も実力の内とは、まさにこの事でしょうね。
ちなみに、北尾さんが運営している「ねこまど将棋教室」では、将棋をこれから始めようと思われている方や習いたての方、果ては有段者まで、プロ棋士の丁寧な指導が受けられると評判のようです!
※以下、ねこまど将棋教室公式twitterより引用
本日は、カロリーナ・ステチェンスカ女流3級(@oneye)にお越しいただきました。ねこまどshopにてクリアファイル販売中です☆https://t.co/hq95TqsUbv pic.twitter.com/Q0d1xi1vMY
— ねこまど将棋教室 (@shogischool) November 21, 2015
それと、今のところは予定がないようですが、晴れてプロになったカロリーナさんの指導が受けられる日も近いかもしれませんね。(もし本当にそうなったら、申込みが殺到しそうですが。^^;)
カロリーナ・ステチェンスカの師匠について-終わりに-
さて今回は、今大注目の外国人女流プロ棋士「カロリーナ・ステチェンスカ」さんの師匠である片上大輔六段と、彼女の来日のきっかけとなった北尾まどか女流二段について紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
二人とも、将棋を広めることが将棋界にとって非常に重要なことだと考え、その普及活動の中でカロリーナさんに出会うこととなりました。この二人がいなければ、彼女が日本に来て、尚且つ将棋のプロになる事は無かったのかもしれませんね。
筆者はイチ将棋ファンとして、カロリーナさんの頑張りはもちろんながら、片上さんと北尾さんのお二人の貢献など、本当に凄いと思いました。地道な活動が身を結ぶといった感じですね。
という訳で、今回は以上となりますが、本記事でこのお二人についても興味を持って頂けましたら、是非カロリーナさんと共に応援してあげてくださいね! ではまた会いましょう!^^
※最後に、北尾まどか女流二段が運営している「ねこまど将棋チャンネル」の動画をご紹介して、今回の記事の締めとさせて頂きます。北尾さんのフランスへの普及活動などについても紹介されていますよ! 是非ご覧下さい! (YouTube/ねこまど将棋チャンネルより)