伝統行事の節分とは? ひいらぎいわし? 福の神ってなに?
こんにちはトレンドボーイです。さて、コンビニでは恵方巻きの宣伝ポスターが目につきはじめ、ご家庭ではお父さん達が、保育園や幼稚園では先生達が鬼に扮して、子供達に豆で退治される季節が近づいて参りました。
ちなみに、この節分と言えば、鬼や福の神、イワシやひいらぎといったアイテムが思い浮かびますが、ずっと受け継がれて来たこれらのアイテムに、一体どのような言われがあるのでしょうか?
という訳で今回は、伝統的な行事である節分を余すとこなく楽しむために、その言われや意味などについて詳しく調べて見ることにしました。で、その調べて分かったことについて、今から詳しくご説明させて頂きますね!^^
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伝統行事の節分とは? 旧暦では今と日付が違う!?
現在の新暦(グレゴリオ暦)では2月頭に行なわれている節分ですが、この日を明治のはじめまでに使われていた旧暦にあてはめると、節分と立春は、旧暦では12月半ば〜1月半ばの間で毎年日付が変わっていた事になります。(これは何故かと言うと、旧暦の大晦日が節分の前後15日位で、旧暦の元日が立春の前後15日位となるためです。)
これを読んでいる読者の中には、”え?旧暦の節分って大晦日じゃないの?”と思う方もいらっしゃるかと思いますが、要するに、節分が大晦日だと考えや解釈の仕方は、節月から見た時の場合であり、暦月では大晦日の前後15日のどこかしらの日に来るということですね。
この季節は太陽を基準として決められてたのに対し、何月何日というのは月の満ち欠けを基準に決められていました。いやはや、旧暦ってややこしいんですね。
ちなみにこの旧暦では、立春が一年の始まりとされて最も重要視されていましたが、だからこそ、その立春の前日に節分を行って厄払いをするという考えが自然と定着していったんですね。ちなみにこの節分は、“悪い気や邪気などを祓い、尚且つ”新しい一年が災いの無い年に迎えられるように”という願いを込められて行われるんだそうです。
つまり、こういう季節の分かれ目では、邪気や鬼など悪い物が入りやすいと考えられていたので、それらを防ぐために始まったのが、伝統行事「節分」だったという訳なんですね。字面もそのままで、季「節」の「分」かれ目を表していますよね。
ちなみに、”立春とはなんぞや?”という話ですが、この立春とは二十四気の一つで、要するに暦の上で春が始まる日とされている日ですね。ちょうど「冬至」と「春分」の中間に位置しています。
それと、今現在の節分といえば2月3日に行われるイメージが強いですが、実は必ずしもこの日という訳ではありません。1984年までは2月4日でしたし、2025年の閏年年以降では2月2日になるんだそうですね。
話を戻しまして、このように、悪いものに魅入られず、良い物を呼び込んで気持ちよく一年を始めたい。昔の人でなくても今でも共感できる気持ちだと思いますが、その”福”を呼び込むために使われるのが、皆さんご存知の、豆や恵方巻き、柊や鰯(イワシ)いったアイテムなのです。
という訳で今から1つずつ、各々のアイテムについて、その意味や言われをなどを見て行きましょう。
節分になぜ豆を使うの? 鬼払いに豆が良いから!?
さて、節分と聞いてまず最初に思い浮かぶのが「豆まき」ですよね。世のお父さん方や学校の先生(幼稚園・保育園の先生)方は、節分の日は鬼のお面をつけながら、この豆から逃げながら退治されなくてはいけないですから大変です。
と、ここである疑問が思い浮かびます。それは何かと申しますと、『なぜ豆を使うのか?』ということです。画面の前の皆さんも不思議に思いませんか? 別に豆以外でも良さそうですよね。
で、その辺について気になったので調べて見たところ、どうやらこの豆が鬼払いに使われる理由には諸説あるようですが、有力な説では「まめ」は「魔滅」と書く事が出来るからというのがあるようです。
う~むなるほど、一見無理やりこじつけた感はありますが、確かに理にかなっています。「魔を滅する=まめ=豆」。まさにその通りですね。という訳で、伝統行事に使われる小道具には、案外こうした語呂合わなどが多少なりともあるようです。
それと、その他の理由などについても調べてみたところ、どうやら平安時代に陰陽師たちが、鞍馬山から都にやってきて暴れる鬼達を封じるために、約1500リットルにも及ぶ大量の豆で鬼達の目を潰した、という伝説があるそうです。(なので、豆を「魔目」と書く事もあるそうです。)
また、これら以外にも、この豆は植物の種である為、”生命力が宿る神聖なもの”、”邪気を払うもの”として信じられていたそうです。なので、豆まきをした後に子供達が年の数だけ豆を食べるというのも、この”生命力にあやかりたい”という気持ちが含まれているのかもしれませんね。
もちろん、豆まきとは本来子供達だけの特権ではないはずですが、お子さん達の成長に連れてやらなくなる家庭は多いですよね。でもせっかくの伝統行事ですから、大人になっても楽しみたいものです。(成人男性の投げる豆の威力とか半端なそうですがw)
そういえば、豆まきでは「鬼は外、福は内」といって豆を撒くのがメジャーですが、なんと京都府北部、鬼の住処(すみか)と言われる大江町を中心とした丹後地域では、「鬼は内、福は外」というのだそうです! え?ですよね…。^^;
ちなみに、これは何故かと言いますと、各地で「鬼は外!」と追いやられて来た鬼たちが、この地の神社の境内に追いつめらた時、改心して福の神になった、という昔話に由来しているからのようですね。(では何故「福は外」なのでしょうか? 良いことを皆で共有しようということかな…?)
実際、この地域で行なわれる節分祭では、豆を投げつけられた鬼達が神社の境内で福の神に変身して、その後はおたふくのお面をつけて参拝者に福豆を配るとのことです。なるほど、これは面白そうですね。是非一度参加してみたいです。
トゲトゲや臭さで鬼を撃退! 柊鰯を玄関に!
さて、鬼を追い払う一番のアイテムは豆でしたが、その他にも、この節分には”鬼達が嫌う物を家の前に置いて魔除けにする”という習わしなどもあるようです。その代表格が柊鰯(ひいらぎいわし)です。
ちなみに、柊と言えばクリスマスなどでもおなじみですが、クリスマスリースを手作りする際に、あのトゲトゲで痛い思いをした人も中にはいるのではないでしょうか? そう、勘の良い方は気づかれたと思いますが、ひいらぎと言えばあのトゲトゲです。
これは鬼達も弱いらしく、この柊を家の前に置いておけば、トゲトゲを嫌って家の中に入って来ないと言われているそうです。それと、鬼の弱点は豆の時と同じく目であるらしく、トゲトゲが刺さって痛いのも目なんだそうです。
何でしょうね? 普通にしてれば柊が目に刺さる事なんて無いので平気そうですが、過去に鬼が目に刺さって痛い思いをしたとかのトラウマでもあったのでしょうか? まぁどちらにしても苦手という事で…。
話を戻しまして、この柊とセットにして玄関先に飾られるのがイワシです。ちなみに、普通は”イワシの生臭さを鬼が嫌うから”という理由で飾られているそうですが、地域によっては、”イワシの匂いで鬼を誘って柊で目を潰す”という考えなどもあるそうです。コワw
それと、こちらは余談になりますが、そもそも平安時代はイワシではなく、「ボラ」という魚を用いていたという記録も残っているんだとか。まぁ何とも、あぁ言ってみたりこう言ってみたりと、色々な説が有るんですね。
という訳で、西日本を中心に、江戸時代には既に存在していたと言われるこの風習ですが、まだまだ知られていないことが多そうです。
食べて幸せな恵方巻き! 歳徳神と七福神!?
さてここまでは、季節の分かれ目に入り込もうとしてくる邪気を祓う為のアイテムを2つ程ご紹介してきましたが、ここからは福を呼び込むためのアイテムです。
やはり、福を呼び込んで自分のものにする為には、体内に取り込むのが一番ということで、「福」を取り込める食べ物が節分には沢山登場します。その代表格が皆さんご存知の「恵方巻き」ですね。
ちなみに、この恵方巻きについて調べていたところ、どうやらその呼び名は、1998年にセブンイレブンによって広められたものだったみたいです。普通にびっくりですよね。(それ以前は普通に「丸かぶりの太巻き」とか、「節分の巻き寿司」とか呼ばれていたようです。)
じゃあ何で”恵方巻き”なのかと言いますと、それは福を運んでくる神様である「歳徳神(としとくじん)」と、この恵方巻きの”恵方(えほう)”という部分が関係しているからです。これはどういう事かと申しますと。この歳徳神は金運や幸福などを司る神様で、その存在すると言われる位置は、毎年変わってくるそうです。
要するに、そのめでたいとされる位置を向く=恵方であり、だからこそ恵方巻きであり、その年によって決まった方角を向いて食べるという訳なんですね。(ちなみに、その年々で歳徳神のいる方角の神社などにお参りに行くことを、『恵方参り』というそうです。)
話を戻しまして、この恵方巻きの元々の由来ですが、一番有名なものとして、鬼達が退治されて逃げ帰った後に残された金棒である、という説があるみたいです。これはどういう事かと言いますと、恵方巻きの見た目が金棒に似ているからですね。
ではなぜ当時から食べるという発想に至ったのでしょうか? それはもしかしたら、恵方巻きに入っている具が関係しているのかもしれません。これはどういう事かと言いますと、恵方巻き(太巻き)の中に入っている具の起源としては、全部で7種類だったそうで、それが七福神を表していると言われていたからそうです。
しかしながら、この恵方巻き(太巻き)の風習がいつからなのか?、またはどこで発生したのか?といった事はハッキリとしていないそうで、具材も縁起の良い7種類から始まったと言われていますが、それぞれどの具材がどの神様なのかという部分は、明確に決まっているという訳ではないようです。
そういった事もあり、今では色々な具材を使った、様々な恵方巻きが各地で売られていますが、具材の種類もやはり7種類とは限らないようです。
ちなみに、この恵方巻きには食べ方に作法があり、かつての呼び名である「丸かぶりの太巻き」の通り、「丸かぶりして食べる」ことが奨励されています。つまりは、普通の太巻きのように切ってはいけないということです。(これは何故かと言うと、福に繋がる良い縁を切らないように、という意味が込められているこらだそうですね。)
節分についての記事-終わりに-
さて今回は、節分になぜ豆や柊鰯(ひいらぎいわし)を使うのか?という部分を始めとして、その他にも、恵方巻きの意味や食べる方角のなぜについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
こうやって改めて調べて見ると、邪を祓う豆や柊やいわし、福を呼ぶ為の恵方巻きといったアイテムは、一部不明な部分がありながらも、それぞれにキチンとした意味や言われがあったんですね。
ちなみに、節分で呼び込みたい福の神としては、先程ご紹介したように歳徳神や七福神などがいますが、実は明確に”これ”と定義された存在は決まっていないそうです。なので、福の神=吉祥天という見方などもあるようですね。
ちなみにですが、この吉祥天は「吉祥天女」とも言われ、実は女性の神様なんだとか。そして妹に貧乏神(黒闇天)がいるという話もあるんだそうですね。なので、福の神と一緒にうっかり貧乏神を呼び込まないように、何卒ご用心を。
という訳で、最後に珍しい「鬼は内 福は外」の実際の様子ご紹介して、今回の記事を締めたいと思います。気になる動画はこちらのリンク先からどうぞ。 )
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