軍艦島が世界遺産に登録されるのはいつ? 海外の反応は?

 

 こんにちはtrend_boyです。さて最近、長崎県の端島(いわゆる軍艦島)が、今回世界遺産の一つとして登録されるらしいと言うことで、話題を呼んでいますね。

 

 そこで今回は、“そもそもこの軍艦島とはなんぞや?”という部分を始めとして、世界遺産登録の理由や登録の時期、その他、海外の反応などについて、詳しく調べてみました。

 

このページの目次

そもそも軍艦島とはなに? どこにあるの? その歴史は?

大型フォトブック「軍艦島全景」gunkanjima odyssey archives

 

 さて軍艦島と聞くと、「名前を耳にしたことはあるけど、あまり良くわからない」という方もいらっしゃるかと思いますが、この島は、長崎市の港から約18kmの沖合にある小さな島のことです。

 

 以下Googleマップを参照して下さい。(スマホの場合はタップすると詳細が確認出来ます。PCの場合は、マイナスをクリックして引いてみると見やすいです。)


[map width=”500px” height=”400px”]長崎県長崎市高島町2[/map]
 

 

 話を戻しまして、実はこの「軍艦島」とは通称で、この島の正式な名称は冒頭でお伝えした通り、『端島(はしま)』と言います。(長崎市に属します。)ではなぜ軍艦島と呼ばれるようになったのでしょうか?

 

 詳しく調べて見たところ、どうやらこの島の形などが関係していたようですね。これはどういうことかと申しますと、元々この島の形を斜め上などから見ると、船に似ていた事が軍艦島と呼ばれる所以のようです。※複数の角度から確認できる画像はこちらからどうぞ。

 

 う~ん確かに似てますね! それと、具体的な名前の由来ですが、島の上に鉄筋の建物が建てられたり、周りがコンクリートで固められたりしたところ、1920年代に近くの三菱重工業長崎造船所で造らた「土佐」という軍艦に似ている言われ、以来、端島というより”軍艦島”の方がしっくり来るということで、軍艦島と呼ばれるようになったのだそうです。

 

 なるほど、鉄筋のビルが軍艦の甲板の建造物にあたり、確かに全体として本物の軍艦のように見えます。(最も1920年代の軍艦島は、鉄筋のビルは少なかったようで、大半は木造建てだったようですが…。)

 

 なおこの端島(軍艦島)ですが、以前は隣にある「高島」と共に高島町に属していたようですが、同町が2005年に長崎市に編入となった為、この島も合併後に長崎市の島となった模様です。

 

 ところで、この軍艦島を有名にしているのは、その独特の名前や形の他に、一体何があるからなのでしょうか? 詳しく調べて見たところ、どうやら実は、「石炭」や「炭鉱」というキーワードが関係しているようですね。

 

 軍艦島では1810年代(江戸時代後期)に石炭が発見されたようですが、本格的に竪坑(たてこう)を掘って採掘しだしたのは、1886年になってからだそうです。

 

 そして、1890年(明治時代)には所有権が三菱社に移り、その後「三菱端島炭鉱」として日本でも有数の炭鉱として成長しています。

 

 ちなみに、最盛期の1960年代(昭和)には人口が5,200人あまりとなり、狭い島という事が関係してか、人口密度は世界一と言われたそうです。

 

 それと、島には学校や病院、娯楽施設や火葬場などもあったようですが、それがビル群などと共に密集し、独特の景観を造っていたようです。

 

 ところが、時代の流れで石炭産業は振るわなくなり、1974年には閉山され、同年には無人島となってしまいました。

 

 閉山後も島の所有者は三菱でしたが、2001年に当時の高島町に無償で譲渡され、その後合併により長崎市に移っています。

 

 また、建物は老朽化が進み危険性があるため、長年立入りが禁止されていました。ゴーストタウンのような廃墟の様子が、テレビなどで紹介されたこともあったそうです。

 

 しかし、その後一部が整備され、2009年4月から一般の見学が許可されたため、現在では「軍艦島上陸ツアー」などが行われ、多くの人が訪れています。※軍艦島へ行く船便について関心のある方は、こちらのサイトをご覧ください。

 

 

軍艦島が世界遺産に登録されるのはいつ? 理由は何?

 

 さて前述したように、軍艦島は”炭鉱の島”だということがお分かり頂けたかと思いますが、最近この島が世界遺産の一つとして登録されるらしいと言う事で話題になっています。ちょっとピンとこない感じがしますが、その経緯や事情について自分なりに調べてみました。

 

 ちなみに、世界遺産については、5月4日に「イコモス」という世界遺産の諮問機関が、”日本の産業遺産を世界遺産に登録するよう勧告した”と報じられましたが、軍艦島と同様に、「名前は聞いたことがあるけど、その詳細は分からない」という方が多かったのではないでしょうか?私もその一人でした。(もっとも、世界遺産に登録される事については、当該地域の方々は以前からご存知だったと思いますが。)

 

 で、世界遺産とはなんぞや?ってことですが、まずは国際連合機関である「ユネスコ」が1972年に総会を行ったのですが、そこで決まった「世界遺産と自然遺産の保護に関する条約」というものに基づいて、”世界の遺産リスト”というモノが生まれました。

 

 ちなみに、世界の遺産とはどういう物を指すかと言いますと、自然や景観などを始めとして、他にも歴史的な建造物や遺跡などの、普遍的な価値を持つ物件の事を指して言います。

 

 この世界遺産の登録は当該の国が推薦し、事務局の諮問機関が調査、審議して、その勧告に基づいてユネスコの委員会(世界遺産委員会)が、登録について決定することになっています。

 

 今回、その世界遺産委員会がドイツのボンというところで6月28日から7月8日に開催されますので、投票権を持つ参加国(計21ヶ国)の投票で、軍艦島が世界遺産として登録されるかどうかが決まります。

 

 ちなみに、その世界委員会に参加している「イコモス」が、軍艦島を登録勧告していますので、順調なら登録される見込みだそうです。(今までイコモスの勧告が否定されたことはないそうですので。)

 

 それと、このイコモスについてですが、こちらも遺跡などの歴史的建造物を保存する目的として運営されている非政府組織です。前述した世界遺産委員会で、ユネスコに対して答申(意見を述べたり)している団体とのことです。

 

 ところで、話はちょっと変わりますが、今回軍艦島を含めた世界遺産の候補になっている対象は、一体どの位あるのでしょうか?

 

 実はそれ以前に、2009年の暫定リスト(世界遺産の候補)で、「九州・山口の近代化産業遺産群」が早くも登録されていたようですね。

 

 ちなみに、その時の対象は九州と山口県の遺産でしたが、その後対象の追加や削除などがあり、その結果が今回のイコモスの勧告となっています。(以下の8エリア。)

 

  • 山口県・・・萩市などで松下村塾を含む。
  • 鹿児島県・・・鹿児島市集成館ほか。
  • 静岡県・・・韮山反射炉。
  • 岩手県・・・橋野鉄鉱山。
  • 佐賀県・・・三重津海軍所跡。
  • 長崎県・・・端島炭鉱(軍艦島)、三菱長崎造船所、グラバー邸ほか。
  • 福岡県・熊本県・・・三池炭鉱ほか。
  • 福岡県・・・八幡製鉄所ほか。
 

 

 以上このような感じとなっております。(記載漏れがあるかもしれませんが…^^;) ちなみに、今回の登録の名目は「明治日本の産業革命遺産 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業」となっていて、非西洋の世界で近代化の先駆けとなった産業遺産であることをアピールしています。

 

 また、産業遺産としてはこれまでに、富岡製糸場などが既に登録されていますが、今回はそれに続いて特に重工業に的を絞ったようです。

 

 あと、今までと違っている点として、離れた地域が含まれていたり、八幡製鉄所のように稼働中の施設が含まれていたり、松下村塾やグラバー邸などが含まれることなどでしょう。

 

軍艦島が世界遺産になる事に対しての海外の反応は?

 

 さて、今回日本の産業遺産登録の動きに対して、海外の反応はどういった感じなのでしょうか? 一部に反対の動きもあると聞きますので、調べてみました。

 

 で、その調べた結果ですが、どうやら5月4日のイコモスの勧告が発表された時点で、お隣の国「韓国」が反対の異を唱えているようですね。

 

 その理由についてですが、今回の世界遺産候補の中には、かつて朝鮮の人達が強制的に働かされていた7つの施設があるとの事で、その背景を考えると、歴史的に世界遺産にふさわしくないというもののようです。(ちなみに、その中に端島炭鉱(軍艦島)が含まれているそうです。)

 

 また、韓国の主張に対しては、その更にお隣の国「中国」も支持を表明しています。ネット上を見てみると色々な意見があるようですね。

 

 ですが、日本政府として今回の遺産登録は、明治時代、つまり日韓併合前の産業革命の遺産であり、朝鮮の人達の労働とは関係がないので、冷静に理解して欲しいと言っています。

 

 う~ん、確かに関係ないと言えば関係ないし、関係あると言えばあるような…。そもそも強制労働の実態がどれほどのものだったのでしょうか? どちらにしても、粘りつよい説明により、反対している国へはご理解願いたいものですね。

 

 なお、日本の一部でも、「軍艦島のような廃墟を世界遺産にするのは疑問だ」という声なども挙がっているようです。その他、ツイッター上での声などは、以下を御覧ください。

 



 

軍艦島の世界遺産登録の記事-終わりに

 

 さて今回は、長崎県の端島(軍艦島)が世界遺産の一つとして登録されるらしいとの事で、登録時期や海外の反応などお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか?

 

 前述した通り、反対の声などもありますから、中々スムーズには行きそうに無いですが、どちらにしても、最終的には折り合いのつくような形で進んで行って欲しいと願っています。

 

 という訳で今回の記事は以上となりますが、最後に、軍艦島の実際の外観と地上を歩いている風景を収めた動画を発見したので、興味のある方はご覧ください。(Youtube/市民メディアみやざきチャンネル)

 

 

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