百人一首でちはやぶる(ちはやふる)の意味は?上の句と下の句?
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こんにちはトレンドボーイです。さて最近は、「競技かるた」というのが結構流行っているようですね。地元の公民館でこの競技かるたの大会が開催されていて、小さな子供たちが白熱した試合を繰り広げていました。
そんな事もあり、”どうしてかるたが流行っているのかな~?” と気になって調べたところ、どうやらこの競技かるたを題材にしたマンガ「ちはやふる」が、今とても人気なんだそうなんですね! 今年の3月には、大人気女優の広瀬すずさん主演で映画化された事もあり、その人気がとどまることをしらないそうです。
という事で今回は、この大人気作品である「ちはやふる」の内容について書きたいところですが、ちょっとそこは一旦置いておいて、タイトル通り”「ちはやぶる(ちはやふる)」というのは、一体どういう意味なのか?”という部分について、詳しく調べて見ることにしました。
それと、この歌を作った平安時代の歌人・在原業平という人についてや、百人一首の上の句の意味や下の句の意味などについても気になって調べてみたので、その辺についても今から詳しく書かせて頂きますね。^^
このページの目次
百人一首のちはやぶる(ちはやふる)の意味とは?
※画像はイメージです。
さて、この「ちはやぶる(ふる)」ついてですが、まず意味について書く前に、どうやらマンガ「ちはやふる」の影響で、どちらの読み方が正しいのか?という事がしばしば争点になっているようです。
なので、その辺について実際はどうなのか気になったので色々と調べてみたところ、現在では、「ちはやぶる」の方が正式な読み方とされているようですね。(根拠は大正15年に発売された「百人一首かるたの話」という書物です。)
というのも、古くは万葉集で静音で呼んだり濁音で呼んだり、「千早振る」や「知波夜布流」などの表記がいくつかあったそうですが、大正15年以降は上述したとおり、現在に至るまで”ちはやぶる”という読みで統一されているとのことですね。
ちなみに、漫画「ちはやふる」は、百人一首に出てくる以下の和歌が由来だそうですよ。
「ちはやぶる 神代(かみよ)もきかず 竜田川(たつたがわ) からくれなゐに 水くくるとは」
う~ん、文字だけを見ても、さっぱり意味が分かりませんね。ということで、早速この”ちはやぶる”を含めた和歌の意味を細かくみていきましょう。
まずは、「ちはやぶる 神代もきかず」の部分ですが、これは「神様がいた時代でも聞いたことが無いよ」という意味だそうです。そう聞くと、”あれ? ちはやぶるの意味は?”と一瞬思いますよね?
実は、この「ちはやぶる」というのは、枕詞(まくらことば)と言って、「神」という単語を使う時に一緒に用いられる言葉なんですね。なので、それ自体に意味はないのですが、句全体の調子を整える効果があるそうですよ。
では、どうして「神」の枕詞に「ちはやぶる」が用いられているのでしょうか? その辺についても気になったので調べてみたところ、どうやら、「ちはやぶる」というのは、漢字で書くと「千早振る」と書くそうで、勢いが強く強大という意味だそうですね。
その意味から、「神」の枕詞として用いられるようになったみたいです。う~ん、なかなか奥が深い。それと、残りの5・7・7の部分の意味ですが、まず「竜田川」は、その名の通り川の名前です。(奈良県にあります。)
ちなみに、この和歌が作られたのが約1200年も昔ですから、そう考えると現在も名前を変えずに同じ川が存在しているというだけで驚きですね。※以下「竜田川」の画像入りツイートをTwitterより引用
春の竜田川 #写真好きな人と繋がりたい #水面鏡 pic.twitter.com/JvrlnBNxZM
— しゅうきちの写真紹介所 (@syuuphotoRound) May 26, 2016
そして、その後の「からくれなゐに 水くくるとは」という部分の意味ですが、こちらは「鮮やかな紅色に水を染めてしまうなんて」という意味なんだそうです。「からくれなゐ」は、「唐紅」と書くと分かりやすいかもしれませんね。
それと、「水くくる」の方は、ちょっと想像しにくいかもしれませんが、「くくり染め」という布を染める方法があったようです。ですから、竜田川と合わせて解釈すると、”川の水が紅葉で赤く染まる”ということになりますね。
それでは、ここで句全体の意味をまとめてみましょう。人によって細かな部分の違いはあるかもしれませんが、大まかに言うと以下のような感じになるのではないでしょうか?
う~ん、なんだか物凄く大げさな表現に思えますけど、それほど美しい様子だったんでしょうね。(ちなみに、漫画「ちはやふる」では、この歌の作者の”恋歌”としての解釈なども紹介していたようです。※詳しくは次項で)
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平安のプレイボーイ!? 歌の作者の在原業平とは?
さて、ここまで「ちはやぶる」の歌の意味について見てきましたが、やはりこの歌を詠んだ作者についても気になりますよね。^^ という訳で、早速こちらについても調べてみました。
まずこの和歌の作者は、見出しの通り在原業平(ありわら の なりひら)と言って、平安時代の公家・歌人です。実はこの方は「プレイボーイ」と言われるほどモテモテだった人だそうですよ!(なんと、延べ3,733人もの女性と浮名を流したという伝説もあるそうです。)
どれだけ素敵な男性だったのか、一目見てみたいですよね。それに、こういった逸話を聞くと、漫画などでの彼のタッチが異常にイケメンに描かれているのがかなり頷けます。
※詠う!平安京(1)
そんな在原業平ですが、これほどモテていた理由の一つには、やはり和歌が上手いことが挙げられるではないでしょうか? 当時はこの和歌で女性を口説いていたんでしょうね~。実際に、先ほどの「ちはやぶる」の歌も、天皇の女御であった「二条の后」に宛てた句であったとも言われているようです。
なので、表向きは紅葉の美しい色づきへの感動の句として詠まれていますが、実は二条の后に対して、「私のあなたへの想いは、竜田川を真っ赤に染め上げてしまうほど燃え上がっています。」という意味で詠われているのではないか?とも言われているそうですね。
さすがプレイボーイです。やはりどの時代でも、モテる男は気持ちの伝え方が上手いという事ですね。メモメモw
百人一首の上の句や下の句ってなんだ?
ところで、アニメ「ちはやふる」などを見ていると、”上の句”や”下の句”なんて言葉が出てきますよね。まぁこの辺は、百人一首や競技かるたなどを知らない人でも、大体は”最初の方の句”と”後の方の句”という感じで、イメージ的に何となく分かると思います。
ですが、明確な分け方についてはどうでしょう? おそらく、筆者と同じように、学校で古典の授業をサボって聞いていたような方などは、100%自信を持って答えられないと思いますw
という訳で、早速その辺について調べて見たところ、まず百人一首は「5・7・5・7・7」からなる短歌を読み上げたものですが、その前半部分の5・7・5が上の句にあたり、後半の7・7の部分が下の句にあたるそうです。
なので、今回ご紹介している”ちはやぶる”の和歌に当てはめると…
- 上の句:「ちはやぶる」5 「神代(かみよ)もきかず」7 「竜田川(たつたがわ)」5
- 下の句:「からくれなゐに」7 「水くくるとは」7
という事になります。ちなみに、アニメ「ちはやふる」の競技かるたは、この上の句が読まれた後に、出来るだけ早く下の句のかるたを取って勝敗を争っているという事になります。
具体的には、最初の何文字かの言葉を聞いて、”この上の句だったらこの札だ!”というように、瞬発力を発揮して尚且つ腕をカミソリのように振って札を取るという訳です。(どの部分まで読まれたら”この句だ!”と確定することを、「決まり字」と言うんだそうですよ。1字決まり、2字決まりといった使い方をするそうです。)
それと、百人一首全ての句が、5・7・5・7・7になっているのかと言うとそうでは無いようですが(字余りとか?)、大体はこの文字数に沿って句が読み上げられるようです。
あと、こちらは余談ですが、よく百人一首というと、「小倉百人一首」という言葉を目にしたりしますよね。これは、鎌倉時代の公家である藤原定家が選んだ100の和歌集が、こう呼ばれているようですよ。
この藤原定家は大変有名な歌人で、尚且つ影響力もかなりあったそうで、だから鎌倉時代以降も”百人一首と言えば小倉百人一首”というのが根付いていたそうですね。(そこから更に江戸時代に入ると、絵入りの歌かるたが庶民に広まって、現在へと繋がっていったそうです。)
ちなみに、この和歌集の中には、古今和歌集や新古今和歌集を始めとして、その他にも、千載集や後拾遺集などからも選ばれているようです。なので、百人一首は今で言うところの、ベストヒットソング集のような物だったそうですよ^^(時代的には、大和時代~鎌倉時代までのものが選ばれているようですね。)
百人一首のちはやぶるの意味などについての記事-おわりに-
さて今回は、今大人気の漫画「ちはやふる」にちなんで、百人一首に登場する「ちはやぶる~」という句の意味や作者の在原業平について、それと、上の句と下の句の事などについてもお伝させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
このように、百人一首や競技かるたをしたことがない人でも、歌の意味を知ったり作者がどんな人物だったか知ったりすると、おのずと自然に興味が湧いてくるのではないでしょうか?(私自身も、まずは百人一首のその他の主な句の意味を知って、尚且つ暗記などをして行きたいと思っています。^^)
という訳で最後に、今回の記事の関連として、映画「ちはやふる」のダイジェスト動画をご紹介して、記事を締めたいと思います。ちなみに、この映画は上の句と下の句の二部構成になっていて、以下の動画は上の句の方となっております。(Youtube/東宝MOVIEチャンネルより)
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