灌仏会の作法を分かりやすく解説! イラストや俳句は?
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こんにちはトレンドガールです。さて皆さんは、クリスマスやハロウィンなどのイベントはよくご存知かと思いますが、日本の仏教行事である灌仏会(かんぶつえ)についてはどうでしょうか? その作法と言われても、おそらくご存じで無い方のほうが多いのではないかと思います。
そこで今回は、この灌仏会についてや、その他にも、行事の作法などについて詳しく調べて見ることにしました!(あと、灌仏会に関連するイラストや俳句などについても調べて見たので、是非最後まで御覧ください。^^)
このページの目次
そもそも灌仏会とは何? 2つの日程がある理由は?
さて、灌仏会の作法について見て行く前に、そもそもこの灌仏会とは何ぞや?という話ですが、簡単に言うとお釈迦様の誕生を祝う行事の事ですね。(詳しくは以下の記事で解説していますので、興味がある方は御覧ください。)
話を戻しまして、仏教行事の1つとして、寺院でブッダの誕生日と言われている4月8日を祝うのが灌仏会ですが、この灌仏会、場所によっては5月8日に行うところもあるようですね。ではなぜ場所によって日程が違うのでしょうか?
実はその裏には旧暦と新暦が関わっているようなのです。これはどういう事かと申しますと、この灌仏会の日程は、それぞれブッダの誕生日に基いて行われていますが、元を正すとその誕生日は、インド暦第2の月のヴァイシャ1月になります。
もともと日本の仏教は中国を経由して入ってきましたが、このインド暦第2の月のヴァイシャ1月を中国歴に直すと4月のことを指しています。それになぞって、中国歴(旧暦)の4月8日が灌仏会の日としていたんですね。
ところが、明治時代に入ってグレゴリオ暦(新暦)に改暦をした時、この灌仏会の日程は変更されず、中国歴である4月8日のまま続けて行われているので、それが今日(こんにち)まで残ったということなのです。
ちなみに、本当であれば、この4月8日のだいたい29日後が、ブッダの誕生日となるようです。なので、もう1つの灌仏会の日程である5月8日付近が、本当のブッダの誕生日となるようですね。
話を戻しまして、この灌仏会ですが、実は日本に伝わってきた当初は、「天上天下唯我独尊」と言われるブッダの像に、5種の香水をかけていたようです。ちなみに、現在のように甘茶をかけるようになったのは、江戸時代からのようですね。(この甘茶をかけるというこの作法は、日本独特のもののようです。)
それと、この江戸時代の灌仏会では、柄杓(ひしゃく)を持った子ども達が行列をなしていたという記録も残っています。特に、明治時代にこの灌仏会は盛んに行われていたようで、中でも竹筒を売る店などがかなり繁盛していたようですね。
そして、明治34年からこの灌仏会のことを「花祭り」とも呼ぶようになったと言われています。この呼び名の方が皆さん親しみがあるのではないでしょうか?
灌仏会の作法とは? 甘茶は何から出来ている?
さて次に、いよいよ灌仏会の作法についてですが、この灌仏会といえば、甘茶をお釈迦様にかけたりなどがありますよね。実際の手順としては、どのようにしたら良いのでしょうか?
という訳で、その辺について詳しく調べて見たところ、まずこの灌仏会を行うお寺では、大仏殿の前などに、牡丹など大きめのお花で囲まれた小さな御堂が作られています。ちなみに、このお堂のことを「花御堂(はなみどう)」と呼ぶそうです。(以下参考画像入りツイートをTwitterより引用)
https://twitter.com/c_10tiv/status/718673878755639296
今日はお釈迦様ご生誕の日である「花まつり」です。
第2ロビーには花御堂を設置し、天地を指さしたお生まれのお姿を安置しました。
甘茶とお菓子の振る舞いもあり、お客様もゆったり過ごされていました♪ pic.twitter.com/raDxd6NYLb— 鹿児島 砂むし温泉 指宿白水館(Hakusuikan) (@HakusuikanIT) April 8, 2016
ちなみに、この小さなお堂(花御堂)の中には、上記の画像の通り誕生仏(たんじょうぶつ)と呼ばれる、ブッダをモデルとした片手を上げている像がありますが、参拝者はこの誕生仏の頭から甘茶を注いで拝むそうですね。
そして、それが終わると、参拝客に対して甘茶が振る舞われるそうです。(場所によっては、甘茶を竹筒などに入れてくれるところもあるようですね。)
【ソース】潅仏会(かんぶつえ)・花祭り。
さて、ここで気になるのは、やはりその甘茶の概要です。一体どのようなものなのでしょうか? 気になり調べてみたところ、以下のような感じでした。
甘茶とは
ちなみに、灌仏会では本来「ソーマ汁(甘露)」と呼ばれるものをかけるようですが、そもそもソーマ汁自体がどの植物から取れるものか謎であり、そのかわりとして甘茶を使うようになったとの事です。
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灌仏会に関連したイラストはどのようなものがある?
さて次に、灌仏会に関連したイラスト素材についてですが、ネット上を色々と探してみて、無料で使用できる素材をいくつか探してみました。
- ■水瓶の上にいる誕生仏に甘茶をかけているイラスト
【出展】三文堂のひよこ/花祭りのイラスト「誕生仏」に甘茶をかけるイラスト
- ■こちらも誕生仏に甘茶をかけているイラスト
【出展】素材ラボ/4月のイラスト(灌仏会)
- ■お堂にお花が添えられたイラスト
シンプルで分かりやすい絵になっていますね。【出展】素材屋小秋/花祭りのイラスト
以上3つほどご紹介させて頂きました! 是非これらのイラストを利用してみてください。^^
灌仏会に関連した俳句にはどのようなものがあるの?
さて、ネット上を色々と見ていた所、どうやら灌仏会に関連した俳句は結構あるようですね。特に江戸時代の俳人達が、灌仏会についての俳句を沢山残しています。
ちなみに、その中で最も有名な俳人を挙げると、「小林一茶」や「松尾芭蕉」などが、この灌仏会関連についていくつか詠っていたようですね。(以下、2~3ほど紹介させて頂きます。)
- 「灌仏の御指の先や暮の月」小林一茶
- 「浜風に色の黒さよたん生仏」小林一茶
- 「灌仏や皺手合する珠数の音」松尾芭蕉
【ソース】仏生会 灌仏
ちなみに、筆者がこの中で個人的に気に入っているのが、一番最初の句ですね。誕生仏の挙げている指先の上に、ちょうど月が出てきて、何とも言えない幻想的な光景が目に浮かぶようです。
それと、上記の句とは関係ないですが、近年では山本海苔店という食品メーカーで、この灌仏会の俳句のコンクールなども開催されたようですね。
という訳で、せっかくですから画面の前の皆さんも、これを機会に、是非灌仏会に関連した俳句などに挑戦されてみてはいかがでしょうか?^^
灌仏会の作法・イラスト・俳句についての記事~終わりに~
さて今回は、灌仏会に2つの日にちがある所以を始めとして、その他にも、この灌仏会の作法やイラスト、俳句などについても詳しく見てきましたが、いかがでしたでしょうか?
ちなみに、灌仏会は、冒頭でお伝えした通りブッダの誕生を祝う行事であり、誕生仏に甘茶をかけるという日本独自のスタイルで行うことが分かりましたが、その甘茶を掛けるという行為は、「ソーマ汁」と呼ばれる物の代わりだったというのが驚きですね。
話を戻しまして、私の友人のお坊さんは、毎年この灌仏会の時は忙しそうですが、そんな彼の口癖は、「どうして日本人はクリスマスは盛大に祝うのに、お花祭りは同じくらい盛大にお祝いしないのだろう? 」と言っています。
まぁこの辺はメディアの露出や親しみやすさなど様々な要因があるとは思いますが、せっかくですからこの記事を読まれた方などは、今年の4月8日に実際にお寺に行かなくても、甘茶などを飲みながら家族皆で集まり、今年1年の幸せを願ってみてはどうでしょうか?
※以下の動画は、群馬県吾妻郡高山村にある泉龍寺で、実際に灌仏会を行う様子を収めたビデオです。(Youtube/上野村公式チャンネルより)
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