天狗とは何者でその意味や由来は? 種類はどれ位いるの?
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こんにちは、トレンドボーイです。さて皆さんは、天狗と聞くとどのような印象をお持ちでしょうか? やはり、あの特徴的な高い鼻と赤い顔、あとは体がかなり大きくて少し怖いイメージがありますよね。どちらにしても、あまり良いイメージを持つ方はいないかと思います。
それを裏付けるように、日常生活で使う「天狗」と聞くと、少し調子に乗っちゃっている人の事や、自慢げな人の事が連想されますよね。なぜこのようなイメージが定着してしまったのでしょうか? 気になる所です。
いずれにしても、天狗についての由来などの詳細について聞かれたら、キチンと答えられる方は少ないかと思います。むしろ、「知らない」という方の方が、圧倒的に多いでしょうね。そんな訳で、天狗自体の意味や由来、それとどの位種類がいるのか?という部分について、かなり気になる所ではあります。
そこで今回は、そもそも天狗とは一体何者なのか?という部分を始めとして、その他にも、意味や由来、その種類などについて、詳しく調べてみる事にしましたよ! この記事を読んで頂くと、天狗に関する様々な疑問が一気に解決するかと思いますので、是非最後までご覧下さいね。それではスタート!
このページの目次
そもそも天狗とは何者か? その意味や由来はどうなってる?
さて、それではまず、そもそも天狗とは一体何者なのか?という部分を始めとして、その他にも、その意味や由来などについて、詳しく調べた結果を今からお伝えさせて頂きたいと思います。
という訳で、早速その調べた結果について見て行きたいと思いますが、まず天狗とは何者かについては、こちら簡単に言いますと、「日本で古くから伝えられている伝説上の生き物(未確認生物)」の事を指して言います。
ちなみに、人には無い神通力(じんつうりき)を持ち、カラスのような羽で空を飛ぶともされていますね。また、大きなうちわのような葉っぱを持っていて、天候を操るようなイメージなどもあります。(あとは、人里離れた山奥に住むイメージなどもありますね。)
とまぁ、この辺はなんとなく分かると思いますが、ちなみに、地域によっては「妖怪」のような存在だったり、「神」のように信仰されていたりと様々なようです。いずれにしても不思議な存在ですね。
ちなみに、鎌倉時代から戦国時代などの中世以降、日本で天狗は大魔王と呼ばれていたそうで、天狗道に堕ちているがゆえに不老不死とされ、仙人のような様々な技を持ち、国家を揺るがすほどの大妖怪とされていたようです。
元和頃に書かれたとされる書籍「秋の夜の長物語)」では、天狗は火事や争いごとを好むとされ、特に天狗の起こした騒乱については、かなりの脅威だったと言われているようですね。
それと、天狗の中には、権現(仏)や菩薩とも言われるような、神的な存在なども居たようで、なんでも、詳しい者以外は天狗という事にさえ気づかない程だったようですよ! なので、中には人間のような姿形をした天狗もいたという事になります。
話を戻しまして、天狗の「狗」には実は”犬”という意味合いなどもあるようで、実は天狗というのは「天の狗(てんのいぬ)」とも言われているみたいですね。では、何故そのような意味があるのかについては、どうやら天狗の由来から来ているそうですよ。
その由来とは、古代中国が起源とされていて、どうやら天狗というのは、元々”不吉な事や良くない事など凶事を知らせる流れ星”的な意味合いがあったようなんです。
流れ星は、隕石が大気圏を突入し地表近くまで落ちて来ると、空気と衝突して物凄い音を立てて爆発しますが、この爆発音が、”犬の咆哮(雄叫び)”に似ているとされていて、天の狗、つまり天狗の語源となったようですね。
また、隕石が空から流れ落ちる様子が、天から”犬”が駆け下りていくように例えられていますが、いずれにしても、現在の天狗のちょっとネガティブなイメージは、こういった凶事を知らせる流れ星から来ているようです。この事が、天狗の第一の由来であるとされているようですね。
それと、昔は「月食」なども天狗と関係していると言われていたようで、これはまだ、月食が科学的に説明出来ていない時代に、人々が”天狗が月を食べているのではないか?”と考えていた事が関係していたようです。そんな事もあり、「月食=天狗の仕業」的な良くないイメージが定着したようですね。
※ちなみに、「月食」についてご存知の方もいるかとは思いますが、一応説明しますと、月食とは地球が太陽と月の間に入り、地球の影が月に掛かって暗く見えたり、欠けたように見える事です。
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話を戻しまして、では日本ではいつ頃から”天狗”という言葉が使われ出したのかと言いますと、こちら奈良時代の養老4年(720年)に完成した「日本書紀」にて、天狗について詳しく書かれています。
この日本書紀では、天から雷のような轟音と共に落ちてきた流れ星を見て、人々は「あ~流れ星だ!」と言った際に、唐(中国)の学者が「これは流れ星ではなくて、天狗である」と話したそうなんです。
ただ、その後天狗が登場した書物が、平安時代(794~1185年)の中期に完成されたとされる「宇津保物語」までなかった為、”流れ星が天狗である”という説は、日本では定着しなかったようですね。
以上、天狗の意味や由来についてでしたが、ここまで見ても”ん? 天狗って元々は凶事を知らせる狗(犬)の流れ星だったんでしょ? なんで現在の天狗と繋がってるの?”と思われた方も中にはいらっしゃるかと思います。
このように、元々天狗というのは、中国では流れ星だとされてきましたが、ざっくりと結論を申し上げますと、日本では様々な解釈を経て、現在の天狗として(神や妖怪として)語り継がれてきたというのが実情のようですね。ご納得頂けたでしょうか?(・・;)
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天狗の種類はどの位いるのか? 烏天狗や木の葉天狗とは?
さて次に、天狗の種類がどの位いるのかについて個人的に気になりましたので、その辺について詳しく調べてみました。
という訳で、早速その調べた結果ですが、まず基本的に天狗というのは、大きく分けて3種類いると言われているようです。その3種類とは、「烏天狗(からすてんぐ)」と「木の葉天狗」と「大天狗(おおてんぐ)」です。では、それらを1つずつ詳しく見ていきましょう。
1.烏天狗
さて、まずは1つ目の「烏天狗(からすてんぐ)」についてですが、こちらその名の通り、カラスのような顔つきで鋭い嘴(くちばし)があるのが特徴です。
そして、修験者のような山伏装束を身にまとっているのも特徴とされていますね。(鎌倉時代~戦国時代辺りの中世時代に、このような姿として定着していったようです。) 小天狗や青天狗とも呼ばれています。
また、体は後述する大天狗よりは小さいですが、背中にはかなり大きな翼が付いているとされています。そして、手には僧侶が持っているような錫杖(しゃくじょう)という杖を持っていて、それが自身を守ったり、武器に使ったりすると言われているようですね。
このような特徴から、天狗と聞くとまず烏天狗の事を思い浮かべる方もいらっしゃるかと思いますが、ちなみに、現在最も想像する人が多いであろう鼻が高い天狗というのは、近代に入って定着したもので、元々はこのような烏天狗のような出で立ちの天狗が主流だったようです。
それと、烏天狗は非常に剣術に秀でてその戦力も凄まじかったようで、お得意の神通力を使って、昔は都まで降りてきて、人々に猛威をふるったとも言われているようですね。
あとは、天狗の中でも、鞍馬山の烏天狗は、かの有名な源義経(幼少期の牛若丸時代)に対して、剣術を教えた何ていう逸話などもあるようですよ!
他にも、烏天狗のミイラなども現存するようで、なんでも江戸時代から明治時代にかけて、修験者達がこれを担いで諸国を回ったなんて話もあるようです(゚д゚) 本当に天狗が居たかどうかは置いておいて、このような話を聞くと、なんか夢がありますね。(まぁ実際に居たら、絶対に遭遇したくはないですがw)
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2.木の葉天狗
※以下Twitterより参考画像入りツイートを引用
https://twitter.com/adumaryu/status/419269516153991168
さて、次にご紹介するのは「木の葉天狗」ですが、こちらは江戸時代の文献に多数登場していたようで、基本的には上記ツイート画像の通り、烏天狗のようなフォルムであると言われているようです。別名「境鳥(さかいどり)」とも言われているようですね。
ただ、烏ではなく、人や狼のような天狗もいるようで、様々な姿形があるとされています。(それから、「烏天狗」と「木の葉天狗」を合わせて「小天狗」とするという考え方もあるようですよ。)
ちなみに、この木の葉天狗ですが、1740年辺り頃の寛保時代の「諸国里人談」という書籍によると、当時、静岡県の大井川にて、多数の木の葉天狗が魚を捕っていたなんて目撃談などもあるようです。
なんでも、人とカラスが合体したような体で、尚且つ翼が約2メートルととても大きかったようですよ。人間の気配を感じたらたちまち去っていったとの事ですから、基本的には山奥でヒッソリと暮らしていた事が窺えますね。
ですが、その後、江戸時代後期(1800年頃)に、松浦静山によって書かれた「甲子夜話(かっしやわ)」によると、とある民が木の葉天狗にさらわれたという体験談などが書かれていて、それによると、天狗の世界で木の葉天狗は”白狼(はくろう)”と呼ばれていたそうで、実は年老いた狼が天狗に転生したなんて話もあるようですね。
ちなみに、天狗界で木の葉天狗は地位的には低かったようで、主に他の天狗達が生きていく為の、小間使い的な感じだったようです。(具体的には、山で登山者の荷物を背負ったり薪を売ったりして、他の天狗達の為にお金を稼いでいたようですね。)
ですが、木の葉天狗は天狗界で地位は低いとは言っても、ある程度、基本的な神通力や变化能力などは備わっていたとされているようです。
それを裏付けるように、1970年代に書かれた「岩邑怪談録」によれば、木の葉天狗が子供に化けて、地元漁師に対して「銃を売ってみろ」とからかって実際に打たれたようなんですが、でもその漁師が打った銃弾を「弾はここだ」と言って即座に返したそうです。
なんか、格闘系のアニメとかの、結構強いキャラを彷彿とさせられますねw 普段はおふざけキャラだけど、実は相当な実力を持っているみたいな。どちらにしても、筆者の中でかなりイケメンな木の葉天狗を想像してしましたw
3.大天狗
出展 Twitter.com
さて、次に「大天狗」についてですが、こちらは最も力が強く、体も鼻も大きいとされています。(ちなみに、その中でも特に巨大な天狗として有名なのが、「ミエビ山王」「ホダラ山王」「三吉神」の3天狗です。これらは伝説となっています。)
話を戻してまして、この大天狗は天狗界の中でも、最も地位的に高かったとされていますね。(最上位) もちろん、人や鬼に自在に姿を変える事が出来るとも言われています。
しかも、生前に非常に優れた力を持った僧侶や修行僧などが、死後に大天狗になるとも言われているので、その力は他の天狗よりも圧倒的に勝っていると言われているようですよ!
なので、どちらかと言うと、天狗というよりは神様のような存在として認識されていたみたいですね。(他にも、善悪の両方の面を持った、妖怪あるいは神とされていたようです。)
ちなみに、仏教経典に天狗は登場しないと言われているようですが、実は「正法念処経」にて天上世界を滅ぼす大魔王的な存在として書かれているようですね。
なんでも、夜摩支天の王が、天界に住んでいる天人達に対して、「兜率天という我々の住む世界よりも更に上の素晴らしい世界が、天狗達によって全て焼き尽くされてしまった」と語ったなんて逸話があるようです。う~ん、凄い…。
4.女天狗
さて、最後にこちらはおまけとなりますが、今までご紹介した天狗達の他にも、実はこのような女性のような姿形をした、「女天狗(おんなてんぐ・めてんぐ)」という天狗もいたようですね。なんでも、普段は羽を隠し普通の人々の中に紛れていたようで、一見すると、天狗とは気づかない位に、普通の女性になりすましていたんだとか!
それと、この女天狗は、応保から寿永(1161年~1183年)頃に書かれた「源平盛衰記(げんぺいせいすいき)」という書籍にも登場するようで、こちらによると、生前人を見下したり傲慢な態度を取った尼さんが、死後に背中に翼を付けた女天狗になるという話などが書かれているようです。
この源平盛衰記に登場する女天狗の特徴としては、元が尼さんという事で、その見た目は剃髪して法衣を纏い、天狗のような顔と羽を持つとされています。
ちなみに、女天狗の始まりとしては、かの有名な聖徳太子が編纂したとされる「旧事本紀大成経」にて、天逆毎姫(あまのさこのひめ)という、人の身体に獣の顔を持った女神が生まれたと書かれていて、それが女天狗の始まりとされているようですね。
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天狗の意味と由来やその種類についての記事-終わりに-
さて今回は、そもそも天狗とは一体何者なのか?という部分を始めとして、その他にも、意味や由来、それと種類はどの位いるのか?という事などについて、詳しく調べて書いてみましたが、いかがでしたでしょうか?
今回の復習としては、まず天狗の由来としては、元々古来中国の流れ星という事でしたが、ただ、日本ではその考えが定着しなくて、現在の天狗で落ち着いたという事でしたね。地域によって神様や妖怪として認識されているのも、とても面白い部分でした。
また、今回の記事でご紹介した以外にも、まだまだ天狗に関する逸話があるかと思いますので、その辺はまた今度書かせて頂きますね! これを機に、ぜひ皆さんも調べてみてはいかがでしょうか?^^
という訳で、今回はこれにて記事を終了させて頂きたいと思います。最後までご覧頂きありがとうございました!
※ラストに、天狗に関する基礎知識を解説している動画を発見しましたので、こちらをご紹介させて頂いて、今回の記事の締めとさせて頂きます。
この動画では、色々なイラストを用いながら、天狗の能力や特徴について解説されているので、とても面白いですよ^^ 是非ご覧下さいね! ではまた会いましょう! (YouTube/世界ミステリーchより)
今回の記事が何かのお役に立てましたら、各種ソーシャルボタンでシェアして頂けると幸いです。
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