宮中祭祀とは何だ? その内容やしきたりとは?
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こんにちは、トレンドボーイです。さて皆さんは、宮中祭祀(きゅうちゅうさいし)という言葉を聞いた事はありますでしょうか? まぁ、普段あまり我々の生活に直接関わって来る事でも無いので、知っていたとしても、ニュースで何回か耳にした程度という方が多いかもしれませんね。
ちなみに、この宮中祭祀は、天皇陛下がどのような目的で行っているのかについても、詳細までは知られていないのも事実ではあります。なので、このような機会に知っておくのも、日本人として必要な事ではないでしょうか?
そこで今回は、そもそも宮中祭祀とは一体何なのか?という部分を始めとして、その他にも、その内容やしきたりといった部分について、詳しく調べて見ることにしましたよ!
この記事を読んで頂くと、どのような思いで、この宮中祭祀を天皇陛下を始め皇族の方々が行っているのかが分かると思いますので、是非最後までご覧下さいね。それではスタート!
このページの目次
宮中祭祀とは何か? その歴史はいつから始まっているの?
さて、まず始めに、そもそも宮中祭祀とは一体何なのか?という部分について、詳しく調べた結果を今からお伝えさせて頂きますね。
という訳で、早速その調べた結果についてですが、この宮中祭祀とは、「天皇陛下が国家と国民の安寧(あんねい)と繁栄を祈るために行う祭祀」の事を指して言います。
ちなみに、「安寧」とは”世の中が穏やかで平穏無事な様子”を表し、「祭祀」については、”感謝や祈りの為に神々や祖先を祭る”事を指して言います。
なので、「宮中祭祀」を簡単に申し上げますと、“天皇陛下が我々国民の平和を願う目的で行う宮中儀式”という事になりますね。そのように捉えておくと良いでしょう。
それから、この宮中祭祀にはとても長い歴史がありまして、それは720年に作られた「日本書紀」まで遡る事になります。
この日本書紀に、天照大御神(あまてらすおおみかみ)が天孫降臨(てんそんこうりん=神々が住む場所から宮崎県の高千穂に天下る事)をした際に、「この宝鏡を私(天照大御神)だと思って宮中に祀るように」と話した事が綴られているようです。それが、この宮中祭祀の起源とされているそうですよ。
その後、13世紀前半に順徳天皇が書いた「禁秘抄(きんびしょう)」の冒頭部分にて、”天皇は神事を最優先にしなければいけない”と記されていて、この事が現代まで受け継がれて来たようです。
また、現在でも行われている宮中祭祀の多くは、1908年の「皇室祭祀令(こうしつさいしれい)」という法律により整備されて、それに合わせた祝日も定められ自然と国民にも広く認知されて行きますが、でも戦後GHQによってこの皇室祭祀令は廃止されてしまいます。
このため、現在の日本国憲法やその他の法律に宮中祭祀に関する規定は無く、あくまでも皇室(もしくは天皇陛下)の私事として解釈されていますが、でも祭祀自体は廃止前の皇室祭祀令に基づいて行われているようですね。
ちなみに、宮中祭祀には大きく分けて2つありまして、天皇陛下自ら祭典を行い、神々へ誓いの文(御告文 おつげぶみ)を奏上する「大祭(たいさい)」と、掌典職(しょうてんしょく=皇室内で祭祀を司る部署)が祭典を行い、陛下が拝礼される「小祭(しょうさい)」があります。
それと、この宮中祭祀は、皇居内の宮中三殿(きゅうちゅうさんでん)で行われますが、これは賢所(かしこどころ)・皇霊殿(こうれいでん)・神殿(しんでん)を合わせた総称となります。
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話を戻しまして、今の陛下は現在84歳とご高齢のため、体調不良により宮中祭祀を取りやめたり、時間を短縮してお身体の負担を軽減したりといった事はあるようですが、でも執り行う際は代役を立てずに拝礼されています。
その背景には、この宮中祭祀をとても重要視していて、尚且つ国民の平和と安寧を願う想いがあるからではないでしょうか? こう考えると、我々国民としてはとても頭が下がりますね。
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宮中祭祀の内容やしきたりにはどのような物があるのか?
※以下、産経ニュース公式Twitterより引用
23日は「#勤労感謝の日」ですが、戦前の大祭日「#新嘗祭」から引き継がれたことは意外と知られてません。皇居の神嘉殿では、今年も天皇陛下が新嘗祭に臨まれました。
「宮中祭祀の中でも最も重要で、かつ過酷な儀式の一つ」(宮内庁幹部)である新嘗祭とは→https://t.co/YEhGdc1kXx pic.twitter.com/AqaR5c9CrD— 産経ニュース (@Sankei_news) November 23, 2017
さて次に、現代でも引き継がれている、宮中祭祀の内容やしきたりなどについて、詳しく調べた結果を今からお伝えしていきますね。
という訳で、早速その調べた結果について見て行きたいと思いますが、まずこの宮中祭祀は年間数十回行われているようなので、以下の一覧表を見て頂いて、その内容を確認してもらえればと思います。
宮中祭祀年間スケジュール
- ・1月1日…四方拝(しほうはい) 朝4時に陛下が伊勢神宮ならびに四方の神々に対して拝礼する。
- ・1月1日…歳旦祭(さいたんさい) 朝に宮中三殿で行われ、年始をお祝いする。
- ・1月3日…元始祭(げんしさい) 年始に国家・国民の繁栄を祈る。
- ・1月4日…奏事始(そうじはじめ) 年始に掌典職が、伊勢神宮と宮中祭祀に関する事を陛下にお伝えする。
- ・1月7日…昭和天皇祭(しょうわてんのうさい) 昭和天皇の命日に皇霊殿で行われる。
- ・1月30日…孝明天皇例祭(こうめいてんのうれいさい) 孝明天皇の命日に皇霊殿で行われる。
- ・2月17日…祈年祭(きねんさい) 毎年2月に、宮中三殿で五穀豊穣を祈願する。
- ・春分の日…春季皇霊祭(しゅんきこうれいさい) 歴代の天皇・皇后を皇霊殿で祀る。
- ・春分の日…春季神殿祭(しゅんきしんでんさい) 神様に対する感謝を神殿で伝える。
- ・4月3日…神武天皇祭(じんむてんのうさい) 神武天皇の命日に皇霊殿で行われる。
- ・4月3日…皇霊殿御神楽(こうれいでんみかぐら) 神武天皇祭の夜に御神楽を奉奏する。
- ・6月16日…香淳皇后例祭(こうじゅんこうごうれいさい) 香淳皇后の命日に皇霊殿で行われる。
- ・6月30日…節折(よおり) 陛下の御祓いの為に行われる。
- ・6月30日…大祓(おおはらい) 皇族並びに国民の御祓いの為に行われる。
- ・7月30日…明治天皇例祭(めいじてんのうれいさい) 明治天皇の命日に皇霊殿で行われる。
- ・秋分の日…秋季皇霊祭(しゅうきこうれいさい) 歴代の天皇・皇后を皇霊殿で祀る。
- ・秋分の日…秋季神殿祭(しゅうきしんでんさい) 神様に対する感謝を神殿で伝える。
- ・10月17日…神嘗祭(かんなめさい) 伊勢神宮において、五穀豊穣に感謝する。
- ・11月23日…新嘗祭(にいなめさい) その年に出来た穀物をお供えし、陛下がそれを召し上がる。
- ・12月中旬…賢所御神楽(かしこどころみかぐら) 夕方に御神楽を奉奏する。
- ・12月23日…天長祭(てんちょうさい) 宮中三殿で陛下の誕生日を祝う。
- ・12月25日…大正天皇例祭(たいしょうてんのうれいさい) 大正天皇の命日に皇霊殿で行われる。
- ・12月31日…節折(よおり)=陛下の御祓いの為に行われる。
- ・12月31日…大祓(おおはらい)=皇族並びに国民の御祓いの為に行われる。
- ・毎月1日・11日・21日…旬祭(しゅんさい)=掌典職が祀りますが、1日は陛下が礼拝される。
という訳で、以上が宮中祭祀の一覧表となりますが、では実際にどのような形で行われているのかについて、1月1日の「四方祭」を例にご紹介させて頂きます。(これを読むと、昔から続いているしきたりについても分かると思いますので、是非ご覧下さい。)
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ちなみに、この四方祭は、歴代の天皇のみが執り行っていて、代理人は立てられないそうですが(陛下の体調不良の時は中止)、 その具体的な内容については、以下の通りとなります。
四方祭の内容
- 1.まず、四方祭の前日(12月31日)に、陛下がそのお身体を清められます。
- 2.その後、午前4時に、天皇しか着る事が出来ない、「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」という特別な装束を着用されます。
- 3.その後、屏風に囲まれた3つの座に向かいます。
- 4.初めに、北に向かって新年の属星(ぞくしょう=干支を北斗七星の星に当てはめた物)を7回唱えます。
- 5.その後、再拝(深く拝む事を2回繰り返す)の後に、厄祓いの為に特別な呪文を唱えます。
- 6.そして、北に向かい天へ再拝して、その後、北西に向かい地を再拝します。
- 7.その後、「東」「南」「西」「北」の順に、それぞれに向かって再拝します。
- 8.最後に、歴代の天皇が葬られている天皇陵に向かって、再拝を2回行います。(両段再拝)
という訳で、以上が四方祭の内容となりますが、これだけを見ると結構短そうな感じはしますよね? でも実際はとても大変な事だと思われます。
それに、この四方祭が終わると次に歳旦祭があり、更に新年の一般参賀として、国民の前に立つ事になりますので、その日のスケジュールは非常に過密な事が窺えますね。
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宮中祭祀とは何かやその内容等についての記事-終わりに-
※以下、NTV NEWS24公式Twitterより引用
11月23日に行われる五穀豊穣を感謝する宮中祭祀「新嘗祭(にいなめさい)」。どんな祭祀なのでしょう、4年前に公開された貴重な映像がありました。https://t.co/fxW06BhXJJ#theSOCIAL #新嘗祭 #宮中祭祀 #皇室 pic.twitter.com/Kcoljo8lJf
— NTV NEWS24 (@news24ntv) 2017年11月22日
さて今回は、そもそも宮中祭祀とは何か?という部分を始めとして、その他にも、この宮中祭祀の内容やしきたりなどについて、詳しく調べて書いてみましたが、いかがでしたでしょうか?
まず、宮中祭祀という物が、時代によって変遷し、現代に至っている事はお分かり頂けたと思いますが、いずれにしても、現在の憲法や法律の規定に無い行事を、皇室の私事として陛下が国民の為に祈ってくれているという事は、忘れてはなりません。
なので、我々国民も、この宮中祭祀を普段の生活の中で特に意識する事は少ないと思いますが、でも陛下が昔から変わらず国民を大事に思ってくれているという事に対して、少なからず感謝の気持ちを持つようにしましょう。
という訳で、その辺の想いを強調しつつも、今回はこれにて記事を終了させて頂きます。最後までご覧頂きありがとうございました!
※ラストに、毎年12月中旬に行われる「賢所御神楽の儀(かしこどころみかぐらのぎ)」について、詳しく解説している動画を発見しましたので、こちらをご紹介させて頂いて、今回の記事の締めとさせて頂きます。
この動画では、賢所御神楽の儀について、毎年12月中旬の日照時間の少ない時に、天照大神へ対して1年間の感謝と翌年の繁栄を祈り、御神楽を奉奏すると説明していますが、いずれにしても絵コンテなどを使い分かりやすく解説してくれていますので、是非ご覧下さいね! (YouTube/SakuraSoTVより)
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